「イメージ通りにデザインしたはずなのに、完成後に『思っていたのと違う』と言われる」——Webデザインや紙媒体の制作をしていると、一度は経験する場面だと思います。
言葉だけのヒアリングでは、同じ「シンプル」「かわいい」という言葉でも、頭の中に浮かぶイメージは人によって全く違います。この記事では、その「イメージのズレ」を防ぐために私が実際にやっているPinterestを使ったヒアリングの方法をまとめます。
なぜ言葉だけのヒアリングはズレるのか
「シンプルなデザインでお願いします」という依頼を受けたとき、頭に浮かぶ「シンプル」は人によってバラバラです。余白の多いミニマルなデザインを想像する人もいれば、装飾は控えめだけど情報量は多いデザインを想像する人もいます。
言葉は抽象的なぶん、解釈の幅が広くなります。このズレを埋めるには、言葉のすり合わせではなく、実際の画像を一緒に見ながらすり合わせるのが一番早いというのが実感です。そこで使っているのがPinterestです。
Pinterestで検索するときのキーワードの組み合わせ方
Pinterestで参考画像を探すとき、私は1つのキーワードだけでなく、3〜4つのキーワードを組み合わせて検索するようにしています。
例えば、飲食店のメニュー表を作る案件であれば、
- 飲食
- メニュー
- シンプル
- 写真
というように、「業種」「成果物の種類」「雰囲気の方向性」「使いたい要素」を掛け合わせて検索します。
下記は、「飲食」「メニュー」「デザイン」「シンプル」という4つのキーワードで検索をかけた結果。
多少の幅はありますが、かなり絞られてイメージがしやすいですね。デザインの方向性を決める場合、キーワードを減らすと、いろいろな方向性のものが出てくるので、全くデザインがわかない、という場合は、「飲食」「メニュー」の2つのキーワードだけで検索するのも手です。

キーワードが1つだけだと、結果が広すぎて参考にならない画像まで大量に出てきてしまいます。逆に、あまりに条件を絞り込みすぎると、今度はヒットする画像自体が少なくなってしまいます。3〜4語くらいの組み合わせが、案件の雰囲気に近い画像を効率よく見つけられる、ちょうどいいバランスだと感じています。
ヒアリングの流れ
具体的には、次のような流れでクライアントとすり合わせをしています。
- 案件の業種・成果物の種類から、検索に使うキーワードの候補を考える
- キーワードを組み合わせながらPinterestで画像を検索し、候補をいくつかピックアップする
- クライアントと一緒に画像を見ながら、「これは好き」「これは違う」を確認していく
- 良い反応があった画像の共通点(色味、余白の使い方、写真の雰囲気など)を言語化する
言葉だけで「イメージを教えてください」と聞くよりも、実際の画像を見せながら反応を確認する方が、クライアント自身も「自分が本当に求めていたもの」に気づきやすくなります。案件によっては、クライアント自身も自分の要望を言葉にしきれていないことがあるので、画像を介したやり取りが有効に働きます。
出てきたイメージをそのまま制作に活かす
Pinterestのすり合わせで見えてきた方向性は、そのままヒアリングシートや見積書に書き込んでいます。ヒアリングの型自体についてはWeb制作のヒアリングが苦手な人へ|そのまま仕様書になるヒアリングシート無料配布、提案・見積もりの出し方については案件単価を上げる「提案書・見積書」の作り方でも詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
イメージのすり合わせを制作前にしっかりやっておくことは、完成後の大きな修正を防ぐことにもつながります。結果的に、制作側にとっても、クライアントにとっても、手戻りの少ない進め方になります。
まとめ
「イメージのズレ」は、言葉だけのヒアリングでは防ぎきれません。
- 言葉のすり合わせより、画像を見ながらのすり合わせの方が早い
- Pinterestは1語ではなく3〜4語のキーワードを組み合わせて検索する
- 「業種」「成果物の種類」「雰囲気」「要素」を掛け合わせるのが目安
- 出てきたイメージの方向性は、そのままヒアリングシートや見積書に反映する
ちょっとした検索の工夫ですが、クライアントとの認識のズレを防ぎ、手戻りを減らす効果は大きいです。ぜひ次のヒアリングから試してみてください。
